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9/15_17 茶会前

床 乙亥松

花 紅白水引

 

 

いよいよ来週に茶会本番を控え、稽古では最終的な確認を行いました。

 

茶会前の床にはいつも故 青戸宗寛さんの奥様が書かれた乙亥の松をかけています。

 

今回も様々な方々に見守って頂きながら、会当日を迎えられることを嬉しく思います。

 

宜しくお願い致します。

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9/8_10 月到中秋満

床 月到中秋満 風従八月涼 

花 秋草五種

花入 備前耳付

 

三葉会茶会が近くなってきたこともあり、

皆様、本番に向けた練習に気合が入っていました。

 

まだまだ暑い日は続いていますが、ふとした時に秋の風が吹き、朝晩は涼しくなってきました。

 

機が熟して参りましたね。 

 

 

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9/1_3 也太奇

床 風華雪月 

小間 也太奇 

花 宗旦木槿 灸草

花入 経筒 瓢箪

 

床は、幼稚園の時から乙亥会に参加して下さっている安純さんの作品。

高校2年生になり、学業で忙しいそうですが、たまにお会いしたりこうした力作を定期的に拝見できるだけでも嬉しく思います。

 

 

 

小間には、新生さんの色紙を。

 

也太奇とは・・・

 

「大変奇妙だ、不思議だ」という意味で、

何かに驚いたり感動したりする時に思わず口をついて出てくる「わぁー」や「おお」という感嘆の声のことです。

(新生さん解説文より)

 

リオオリンピックで感動と勇気をもらったことから、

お茶の世界でも一碗の中にささやかな感動の喜びを味わえるように日々のお稽古を大切にしていきたいと、この言葉を選ばれたそうです。

 

感情が豊かで笑顔の素敵な新生さんらしい言葉ですね。

 

 

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8/25_27 瓢尽くし

床 寄付 瓢尽くし

 

 

茶道で瓢箪といえば6個で六瓢。

無病息災を表す有名なモチーフです。

その為、

1つ瓢箪の意匠を発見すると

あと5個あるのではないかと探してしまう

というのは茶道を嗜む人間の「あるある」です。

 

ただ、この日は広間、小間の花入をはじめ、蓋置等々…

6個どころか、至る所に瓢箪の道具が。

 

何故というと、瓢箪を生業とされている方を

特別ゲストとしてお迎えしたのです。

 

 

「ひょうたんライト教室ココダッテ」より、代表の須田芳己先生にお越し頂き、

出張でひょうたんライトのワークショップを開いて頂きました。

 

瓢箪の歴史や、先生の瓢箪作りに対する思い等を伺った後、制作へ。

下は5歳から上は60代まで、

先生の軽妙なトークに引き込まれながら、終始楽しく作業を行いました。

 

皆さんの思い思いの作品が出来上がり、全部のひょうたんを並べて明かりを消すと

「わーっ!」という歓声が。

ライト本体は勿論、土壁、畳にそれぞれ移る光の織りなす幻想的な光景に心を奪われました。

 

出来上がった作品は、寝室の間接照明にしたり、仏様の御明かし代わりにしたり・・・

皆様、活用されていらっしゃるようです。

 

ひょうたんライトのキットはホームページからでも購入できるそうですので

ご興味のある方は是非。

 

須田先生、楽しい時間を有難うございました。

 

 

 

因みに・・・

先生からお土産に頂いた個性的な形のひょうたんは、

逆さまにして穴をくりぬき、花入れにしました。

銘は、募集中です。

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8/4_6 乾坤一擲

床 乾坤一擲

花 数珠珊瑚 鷺草

花入 備前

 

床は、昔から母を支えて下さっている宗容さんの乾坤一擲。

かつて雑誌の仕事をされている際はいつも運を天に任せる心意気で様々なものに向き合ってこられたとか。

今でもこの言葉を思い描くと

力が漲るような感じがするそうです。

 

株式が支配する市場経済では

リスクヘッジ(危機回避)がことさら重要視され、

失敗するかもしれない勝負は敬遠されがちです。

だからこそ、「伸るか反るか」の世界に生きた

戦国武将に憧れるのでしょう。

 

無心に、懸命に生きて、

運を天に任せる心境に立ってみたいものですね。

 

 

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7/28_30 茶カフキ その九

床 仙客来遊 山田宗囲

花 百日紅

花入 曽呂利

棚 竹台子

水壷 岩竹

棗 五種

茶杓 牙

茶盌 萩三種

菓子 立山 雪渓

器 四方盆 波に千鳥 菱田賢治

菓子 伊勢いといんせんべい

器 丸皿 月 山田宗白筆

菓子 会津若松 水饅頭

器 蓋付寄木細工

茶 三種

寄付 藪茗荷

 

 

乙亥会では毎年茶カフキを行っています。

茶カフキ その八

 

今回も全問正解された方が何名かいらっしゃいましたが、

何度も経験している方や、今回初めての方等、

毎回違う方が当てられるというのも面白いですね。

 

茶の味を構成しているものが何か、自分なりに分析する

良い機会だと思います。 

 

写真は、会のはじめに茶を献じて頂いたまどか先生。

厳かな所作により場の空気が浄化されていくのが分かりました。

 

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7/21_23 雪月花

床 雪月花

花 鷺草

 

私たちは、美しいもの、大切なものをずっと身近に置いておきたいと思います。

それが無いときは追い求め、失うことを恐れ、失えば嘆くのです。

「雪月花」の言葉は、移ろいゆくものを悲しむのではなく、

目の前にある美しさを心から喜ぶべきだと教えてくれているのだそうです。

 

(作品を描かれた海老原さんの解説文より)

 

目の前にある、あるがままの美しい姿を喜ぶということで

花はあえて鉢のままの鷺草を置きました。

 

花鳥風月になったでしょうか。

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7/14_16 祇園

床 京都祇園祭手ぬぐい

花 祇園守

香盒 舟鉾見立て

 

 

この時期、京都では祇園祭が

博多では祇園山笠が開催されます。

 

そこで、

広間は山鉾席として京都祇園祭の趣向で

小間は山笠席として博多祇園山笠の趣向で点前を行いました。

 

去年も同じ設えをしましたが、夏の定番になりそうです。

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7/7_9 晴耕雨読

床 晴耕雨読

花 牽牛花

 

 

床には前月に皆様が詠まれた短冊を飾りました。 

寄付には笹飾りを。

娘が幼稚園で製作したものや千代紙の飾りを皆さまに見て頂きました。 

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6/30_7/2 ふみくらの

床 ふみくらの庭や緑の滴れる

花 蛍袋 藪茗荷

 

今年最後の短冊箱の点前をしました。

また、社中を2グループに分けて連句に取り組んでいましたが、

漸く完成し、皆さまにお配りすることが出来ました。

 

どうして茶道教室で連句なのだろう、

こんなに苦しまなくてはいけないなんて…

 

俳句と違い、様々な制約の中で句を捻るということは

初心者の私たちにとってはとても大変な作業ではありましたが、

終わった後、達成感のこもったお言葉をいくつも頂戴しました。

 

茶道と連句の共通項は歴史を見ても分かる通りですが

日常のあらゆる場面における風流へアンテナを張ること

季語への理解を深めること

型の中に美があること

36歌仙の流れは茶事の流れと呼応していること

それらを踏まえて

前句までの流れに呼応して句を添えることは

茶席における一期一会の問答と符合します。

 

これからも折に触れて皆さまと共に学んでいきたいと考えておりますので

どうぞご協力の程、宜しくお願い致します。

 

そして、大役を引き受け、乙亥会の連句と正面から向き合って下さった海老原さん。

連句の楽しさと深さを教えて下さり、本当に有難うございました。

 

 

 

 

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6/23_25 洗心

床 洗心

花 君子蘭 水引

 

短冊箱も4回目です。

 

床は、田畑と共に生活をされている小沼さんの

「洗心」

 

田に水を引くために近くの川に入りますが、

水の流れの中にいると心の不純物まで流されて

無になっていく感覚にとらわれることがあります。

(小沼さんの解説文より)

 

6月30日は夏越の祓、半年の穢れを落とす日です。

穢れとは心の穢れのこと。

まさに、1年の折り返しに意識したい言葉ですね。

 

 

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6/16_18 梅雨雲の

床 梅雨雲のすそをほぐして夕明かり 

花 山牛蒡 苧環 もじずり

花入 墨壷

 

今週も短冊箱の点前を。

床には、故 小林宗離さんの句を掛けました。

 

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6/9_11 難波江の

床 難波江の芦のかりねのひとよゆゑ    
   みをつくしてや恋ひわたるべき

花 紫陽花

 

今週も短冊箱の稽古を行いました。

連句も順調に進んでいます。 

 

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6/2_4 浜木綿

 

花 浜木綿 七竈 縞葦

花入 浜田庄司

小間 七竈

 

 

6月は短冊箱の稽古です。

 

皆さまの作品を掛物の代わりにするということで

床には浜木綿を大きく入れました。

 

小間には七竈を。

七回竈に入れてもなお残るからナナカマド

という話が良く知られていますが、

実際のところ、七竈はよく燃えるそうなのです。

 

実は、七竈は良質な炭の材料であり、極上の備長炭の原料です。そして、その良い炭を作る為には

七日間竈に入れて蒸し焼きにするから、

という説があるそうです。

 

いずれにせよ、結論は出ていないようで。

「七竈」の名にはどのような背景があったのか・・・

淡雪のように可憐な花は涼しい顔で咲いています。

 

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5/26_28 歩々起清風

床 歩々起清風

花 蛍袋

 

 

一歩進むたびに清らかな風が吹く。

即ち、至る所すべて清浄なる悟りの世界だ

ということを表している言葉です。

 

 

緑の清々しい季節です。

悟りの境地は体感できなくても、

一歩、一歩と大地を踏む度に爽やかな風が吹き抜けるイメージで

散歩をするのもいいですね。

 

 

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5/19_21 従声得入

床 従声得入

花 さつき

 

いよいよ連句が始まりました。

木曜、土曜の皆様を無作為に2グループに分けて進めていきます。

 

お稽古では、最近ご入会頂いた方々が

本格的にお点前(割り稽古)を始めました。

 


お茶を点てる時。
私は中指から腕肩を通って丹田で点てるようにしているのですが、
具体的にどうすればそれが出来るのか、

言葉でお伝えするのは難しいですし、
体感して頂くには時間を要するもの、と思っておりました。

 

それが、初めて茶筅を振られる方に同じお話をした時
その方は、
「良く分かります。丹田が震えます。」
とお答えになりました。

整体院の院長をされていて、東洋医学と武術の道を追求されている方なのですが、

私はそれを聞いて、

言葉にできない喜びと、心強さを噛みしめました。

 

茶道も連句も、社中の皆様と互いに学び合い、

楽しく前に進んでいきたいと考えております。

 

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5/12_14 灌仏の日に生まれあふ鹿の子かな

床 薫風自南来

花 黒文字 鉄線

花入 長宗全篭

 

これほど一期一会を強く実感する週もないのでは、

と思わずにはいられない程

木曜、土曜の2日を通して、新しい出会いと別れがありました。

 

木曜は、男性がお二人、お仲間に加わって下さるという

小躍りしたくなるような嬉しい一日でした。

お二人ともそれぞれ「手」に職をお持ちで、

深く道を追究されている方です。

私自身も既に多くの事を教えて頂いていますが

お二人が茶道に触れることによりどのような反応が生まれていくのか

期待に胸を膨らませております。

 

 

土曜は、お客様がお二人。

地獄茶会の閻魔女王様こと、AyAko様と、陶芸家の穂高隆児様。

 

AyAko様は、

漆黒のドレスに深紅の口紅をおひきになり、

何と真っ赤な光彩の瞳で、

燃えるような花束を手にお出ましとなりましたので、

あちらこちらから歓声が沸き起こっておりました。

事前に閻魔女王様がお見えになると社中の皆さまにご案内していたことを考えて下さり、

ご自身を演出して一同を楽しませて下さったのです。

身体表現を生業とされる方だからこその、一挙手一投足の美しさが、

狭い茶席で際立っておりました。

 

穂高様は、同茶会で存在感を放っていた緋色のお茶盌を手に、笠間からはるばるお越し下さいました。

AyAko様お持ちのお花をそのまま閉じ込めたように瑞々しい朱色、緋色。貝の目跡。見込みの深さ。釉薬のかかった滑らかな高台…

いつまで見ていても飽きのこない、魅力的なお茶盌は、

薄茶と濃茶で、それぞれ違う表情を見せていました。

笠間焼について、日本料理と器について、

様々なお話を伺いました。

 

 

今日出会った方とは、この先ずっと関わっていく大切な御縁になります様に

しばらく会えなくなる方とは、いつかまた茶の道で再会できます様に

そう願っております。

有難うございました。

 

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5/3 一部平家⑪

5月3日に目白庭園の赤鳥庵にて、平家詞曲研究所の鈴木まどか先生主催による一部平家が開催され、

乙亥会も参加させて頂きました。

まどか先生による解説と後記を掲載させて頂きます。

 

 

一部平家×乙亥会社中


去る、5月3日(火・祝)の朝、目白庭園赤鳥庵にて「一部平家11」を開催しました。


平家物語の一部始終を平家琵琶(平曲)で語り通すことを「一部平家」と言います。
私は昨年より、年8回×10年間の計画で「一部平家」に取り組んでおり、
当日は「康頼祝詞」と「足摺」を語りました。

 

鹿ケ谷事件ののち、鬼界ケ島(現在の硫黄島)に流された3人のうち、
康頼と成経は熊野に似た地形を探し、「熊野詣」をして、祝詞を読み上げます。
これが「康頼祝詞(やすよりのっと)」です。


目白庭園には池や滝があります。
そこで、滝を「那智の滝」、会場を本宮、表門を新宮、東屋を発心門王子に見立てて、
配布プリントに地図を示してみました。
康頼たちの「疑似熊野詣」の疑似体験です。

いつもお世話になっている乙亥会社中にご協力いただけることになったので、
呈茶は「卒都婆流(そとばながし)」をテーマに、宗景先生と案を練りました。


康頼と成経が夜どおし「熊野詣」をするうちに夢を見ます。
女性たちが鼓を打ち今様を唄う夢と、和歌を示したナギの葉が風で届く夢です。
この今様や和歌をヒントに、康頼たちは和歌を刻んだ木片を海に流すようになる、
というのが「卒都婆流」です。


そこで、和室と庭園との間にある広い廊下に緋毛氈を敷き、船に見立てました。
丸い盆を「鼓」に見立て、
茶杓は鬼界ケ島から切り取ってきたような、螺旋状の蔓を削ったもの。
弁天様にちなんだ茶碗、岩田川の沢辺にいそうな蟹を描いた茶入れ。
抹茶はナギの葉を運んだ風のイメージで、小山園「松風」。
お菓子は今様の「花咲き実就る」から、高岡の不破福寿堂「花咲(はなえみ)」。
床にはナギの枝と葉を、宗全籠にたっぷりと。
呈茶スタッフと私は、葵祭の行列の方々みたいに、ナギの葉を胸にあしらいました。
私のすぐ後ろに宗全籠がありましたので、同化したような光景だったかと思います。
点前のBGMとして、女性たちが唄った今様と、ナギの葉にあった和歌を語りました。
懐紙には、今様と和歌を記したコピー用紙を挟んで台紙にしましたので、
ご参会の皆様は文言が聞き取れたのではないかと思います。

お菓子とお茶を召し上がった方は、庭園を眺めて「熊野詣」をシミュレーションしたり、
この日の朝から庭園の池を泳ぎ始めたカルガモの雛を数えたり。

 

さて、次に語るのは「足摺」です。
出家していたにもかかわらず信心の浅かった俊寛だけが、
中宮(徳子)御懐妊の恩赦に漏れて、取り残されます。
史実では俊寛は亡くなっていたようですが、
ここは物語どおりに受け止めて、登場人物の心境を想像するのが面白いです。
語っている合間に、呈茶の後片付けもすませて下さったようです。


しめくくりに、「桜」の中音を、26名のご参会の皆様と唱和しました。
ナギの枝も少しずつお持ち帰りいただきました。


乙亥会社中の皆さん、助っ人に入って下さったHiSUiの皆さん、
それからナギの枝をたくさん提供して下さった渋谷さん、
ご協力ありがとうございました。
御礼申し上げます。

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4/28_30 半歌仙 鯉のぼりの巻

床 節句飾

 

 

今週のお稽古も茶飯釜を楽しみながら

半歌仙のお勉強を致しました。

木曜は、前日までに巻き上げたものや

手直しの元になった句を皆で鑑賞しながら、

どのように句を添えていけばよいか

学んでいきました。

 

土曜は、半分くらい終えていた為、

残りを進めました。

 

亭主がお米を入れ、火吹きをしている間、

細長い紙に句を書いている人だけが目を宙に。

捌きは、さあどうぞ、とばかり身構えている。

他の人たちは三人の様子伺いつつキリッと座っている。

時折の会話がお釜の音と匂い、句作の内容についてなので

席の雰囲気は風雅なものとなっていた。

この雰囲気は良いと感じた。

(宗景)

 

 

後座では海老原さん作の茶杓、真行草の三種を使いお点前を致しました。

皆さま、個性豊かな茶杓を楽しまれていました。

 

土曜の捌きを務め上げられ、茶杓も作られた海老原さんによる感想を下に掲載させて頂きます。

 

 

四月三十日 半歌仙「諸葛菜の巻」「鯉のぼりの巻」を巻終えることが出来ました。
捌を引き受けることは 連句を始めて間もない私にとって本当に憂鬱なことでした。

社中の方々の気重な様子もみてとれました。

 

しかしながら、巻上がった半歌仙は如何でしょうか。
それぞれの句が思いもかけない意味をもち、

共鳴しあい生き生きと存在しているように見えるのは私だけでしょうか。

 

近藤蕉肝先生のご本によれば、和歌、連句、絵画、お茶に貫通する一つのものは

「風雅が常住座臥にある」ということだそうです。
そして連句を巻くことは

「森羅万象の姿を曼陀羅のように描くこと」であり、

それを繰り返すことによって「曼陀羅的宇宙観が磨かれる」ことになるそうです。

 

到底たどり着けない世界ではありますが、

せめて顔だけはそちらに向けて志高く生きて行きたいものです。
宗景先生と、何より宗敦先生のご熱意に突き動かされた二週間でした。
社中連中の方々と貴重な時間を過ごすことが出来ました。
 

両先生と社中の皆様に心から感謝を申し上げます。

 

海老原 雅子

 

 

海老原さんのお力なしでは乙亥会で半歌仙を巻くということは到底成し得ないことでした。

心より御礼申し上げます。

 

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4/23 披露茶会~感想~

 

渋谷宗孝様・後藤宗朋様・鈴木宗容様の披露茶会が行われました。

 

私は、電車・バスを乗り継ぎ、

市民プラザに入り、日本庭園を拝見しながら、

新緑の中心地よく小高庵へと到着しました。

 

総勢二十五名の参加で準備が整った頃、

受付にて今日の役割決めを。

籤で「い」「ろ」「は」の三グループ分けとなり、私は「い」の広間点前となりました。

宗容様がご挨拶、続いてまどか先生、

土曜や初めて披露茶会に参加する方々による

お祝いのお言葉。

川合様の乾杯の音頭の後、きせつの食材を取り入れたお弁当を、

大変美味しく頂きました。

 

その後「い」グループは立派な露地、蹲踞を使い躙り口から如庵席へ。

木漏れ日が流れる中、風情溢れるお席での宗孝様のお点前、大変お見事でした。

牡丹の主菓子は私が作らせて頂きましたが、皆様に喜んで頂き恐縮でした。

 

続いて観音席へ。

少し体調を崩された宗容様には、

向かって手を合わせたくなる程、観音様の御心を感じました。

 

次は書院席へ。

しなやかで優雅な宗朋様のご亭主振り、ご立派でした。

広間では私も数人分のお薄をお点てしました。

 

三席共に両器のご披露やお道具の趣向を凝らしてあり、数か月に渡り苦労されていた様子が理解出来ました。

 

最後に両先生の心温まるご挨拶、全員での記念撮影を以て終了致しました。

宗朋様、宗容様、宗孝様、

素晴らしい記念品「お服紗」ありがとうございました。

そして皆々様お疲れさまでした。

 

 

お三方春の佳き日の披露会大輪咲けと願いを込めて(和菓子について)

 

縁ゆえ放り込まれし青年よ己の道へと大志を抱け(新しくお仲間に加わった芹田さんへ)

 

 

乙亥会社中代表 宇井宗久

 

 

 

 

瑠璃色の水辺清かに鳥遊び

 

華咲む小間に虹色の窓

 

彫りいれた文字さみどりに鮮々と

 

歩み頼もし千手の誓い(卒都婆流より)

 

金輪寺糸目オダマキ糸車師弟の縁ひしと塗りうめ

 

平家詞曲研究所 鈴木まどか先生

 

 

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4/23 披露茶会~縁三 観音席~

床 観音立像 備前焼

軸 孝心則仏心 奈良県・大峯沙門 良乗筆

座 根来塗丸梅盆 菱田賢治造

花 胡蝶蘭

香 風韻 伽羅 みのり苑

三具足 松樂

釜 擂座

水壷 水面 鈴木章魚作

茶入 金輪寺棗「歩」 田中清人作

茶杓 「歩」田中清人作

茶盌 仁清写 青海波 高台寺窯 陶京造

数茶盌 干支 小野山若水造

蓋置 糸巻備前

茶 錦の森 石本川口軒詰

菓子 明から寿 秋田県 山田桂月堂

   蕗羊羹 秋田県 善月堂

器 骨樂 鈴木章魚作

 

 

 

 

皆様のおかげで、披露茶会が終了いたしました。

 

何事も無くとは言い難いのですが。

正確に言うと、

三回するはずだったお点前が一回しかできず、

宗景先生に変わっていただきました。
薬は飲んだはずで、準備も怠りなく、

のつもりでいましたが体が動かなくなり、

歩行も満足にできない状態になってしまいました。

 

ですから、

途中からただお話をさせていただいただけ。
それでも、転倒もせず骨折もしなかったのですから、大丈夫。

いつまでこうして日々を暮らせるのだろうかと思ったものですが、時間が来れば大丈夫。

自分にそう、言い聞かせました。

御心配をおかけしすみません。

 

皆様お世話になりました。

ありがとうございました。

 

一碗で 力漲れ 茶会席
新緑の 輝く命 碗に込め
                             

歩歩庵 鈴木宗容

 

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4/23 披露茶会~縁二 書院席~

 

床 瑠璃鳥 富田渓仙画

花入 鶴首青磁

香 紫舟 鳩居堂

香盒 蛤

釜 糸目釣り釜

棚 末広棚 宗匠頭巾飾り

水壷 京焼 森里陶樂造

茶入 金輪寺棗「清」 田中清人作

茶杓 「坐」田中清人作

茶盌 黒樂 松樂造

同 干支 赤尾陶象造

蓋置 禧山 清水焼

建水 赤絵 有田焼

茶 四方の薫 小山園詰

菓子 岩根つつじ 川崎 末広庵

器 竹二段重 竹虎造

拝見盆 根来塗丸梅盆 菱田賢治造

 

 

 

木々もすっかり芽吹き、

新緑の葉が茂る季節となりました。

自然豊かな 日本庭園に位置する小高庵にて、

この度披露茶会をさせて頂きましたこと、

心より感謝御礼申し上げると共に

光栄の至りに存じます。

 

昨年の十月二十二日に執り行って

頂きました許状式から、

数えて半年後の四月二十三日にご披露が

できたことも不思議に思えます。

忙しい三人が、漸く集まり打ち合わせをする中、

今回のテーマでもある「縁」も、あっという間に決まり、

より良いスタートを切ることが出来ました。

私は書院席での披露となりました。

 

明るく華やかな雰囲気の中、

新緑を目にしながら清々しいお気持ちでお客様にお過ごし頂けたら幸いと思い、

先生方々のご指導を賜り、心を込めながらお道具の取り合わせ、お菓子、お茶等々考え工夫致しました。

 

当日も、先ずは「自分の心」を見つめ慌てずゆったりと心落ち着けることが一番と思い亭主として臨みました。

至らない場面も数々御座いましたが、皆様の温かい眼差しを感じることで、心も落ち着き何とか無事に終えることが出来ました。

皆様と一期に一度の会を一緒に創り上げることができ、本当に嬉しく、良き経験となりました。

 

このような立派な披露ができましたのも、ひとえに宗景先生並びに宗敦先生のご指導のお蔭と深く感謝申し上げます。

そして宗見様並びに乙亥会の皆様にもご協力賜りまして、誠に有難う存じました。

 

最後に宗容様、宗孝様に支えて頂き、ご一緒できたこと、

生涯忘れることのない一時となりました。 

本当に有難うございました。

 

清坐庵微笑こぼれ 春の宴     

 

清坐庵 後藤宗朋  

 

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4/23 披露茶会~縁一 如庵席~

 

床 無涯 総持寺 信隆筆

花入 竹 友人作

香 白檀

盒 信楽 伽藍石 侊生造

釜 阿弥陀堂

水壷 曲 木地

茶入 金輪寺棗「拈」田中清人作

服紗 自作

出服紗 宗莉作

茶杓「華」田中清人作

茶盌 樂 景善教造

同 萩

同 翠孝久谷

蓋置 青竹 自作

建水 益子

茶 式部の昔 小山園詰

主菓子 稚児牡丹 宗久作

 

菓子器 根来塗 丸梅盆 菱田賢治造

 

 

 

昨年の許状式から半年。

やっと迎えた披露茶会。

準備は計画通りには進まず、本当に大丈夫かと思う中、

宗景先生、若先生のご指導を頂き当日を迎える事が出来ました。

乙亥会の皆様には御祝いを頂戴し、

準備から片付けまでのお手伝いもして頂き、

重ね重ね御礼申し上げます。

 

かわい屋さんご紹介の会席弁当を頂きながら、

社中皆様から温かいお言葉を頂戴し、

社中一同のパワーに、乙亥会の盤石な態勢を感じました。
 

午後からは如庵、観音、広間の同時進行です。

私は如庵を担当し、お客様をお迎えしました。

小間に相応しく取り揃えたつもりでしたが、

如何だったでしょうか。

 

主菓子は宗久様の手作りで嬉しい限りです。

虹窓の一日も堪能でき、至福の時間となりました。

皆様も如庵を楽しんで頂けましたか?
 

今回 、宗朋様、宗容様とご一緒させて頂き、特に宗容様の段取りの良さにはビックリ。

事がスムーズに進行でき、本当に良かったです。

宗景先生を囲んで、四十年来の縁が一つになり、素晴らしい一日となりました。

 

宗景先生 、若先生、乙亥会の皆々様 、益々精進して参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いし申し上げます。


坂越えて 若葉の先に 如庵待つ

新緑の 長き細道 越えぬれば 香が誘いぬ  小高庵へと

                                                                                拈華庵 渋谷宗孝

 

 

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4/14_16 半歌仙茶飯釜 諸葛菜の巻

床 松果食スルニ余リアリ 猿自画賛

花 諸葛菜 一入 苧環 木通 桃小花

花入 短冊篭

寄付 筍と子供画 山吹 八重桜

 

 

炉から風炉へと準備をするこの時期

乙亥会では茶飯釜をするのが恒例となっております。

 

作年は、ご飯が炊けるまでの間

お酒を飲みながら床の俳句に付け句をしましたが、

今年は連句。

半歌仙に挑戦してみました。

 

木曜、土曜と同じ発句(五・七・五) に対して、

最初の人が七・七、

次の人が五・七・五・・・と添えていきます。

 

連句には細かいルールが沢山あり、それによって味わい深い歌仙が巻き上がる仕組みになっています。

木曜は、全員が初心者なので、ルールを緩く設定し、皆で案を出しながらどんどんと進めました。

土曜は、連句をされている方の本格的な捌きにより、一人一人が良句を生めるようにじっくりと進めました。

土曜の巻は現在進行している最中ですが、

同じ句から始まっても全く異なる世界が生まれていると思います 

出来上がりを皆さんで鑑賞するのが楽しみですね。

 

 

茶飯釜の方は、皆さんが持ち寄られたお心入れのお料理と共に美味しく頂くことが出来ました。

土曜は前日に掘られたばかりの筍という、大御馳走が登場していましたね。

 

連句も茶飯釜も一座建立。

次回は28日と30日に行います。

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4/7_9 松平不昧

床 願わくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃

桜樹箱

小間花 浦島草

 

今週は、『名碗を観る』の最終回でした。

 

喜左衛門井戸は、言わずと知れた大名物。

一井戸 二樂 三唐津の井戸茶碗のトップで、

国宝に指定されています。

 

所有した人物が次々と腫物の病気を患っていった

という話も有名で、

それはこの茶碗で徳川家康が加藤清正を毒殺したからである・・といった噂まで実しやかに囁かれています。

 

その曰くつきの茶碗を周囲の反対を押し切って

550両で求めたのが松平不昧公です。

不昧公といえば、松江藩主。

現在、松江は京都、金沢に次いで茶道文化の発達した地として知られており、

昨年末の三葉会茶会でも松江のお菓子を取り寄せましたが

これは松平不昧公の功績に他なりません。

 

座学では、不昧公が自身に重ねたという円相と合わせて、喜左衛門井戸の魅力を改めて探りました。

 

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3/31_4/2 花無心招蝶

床 花無心招蝶

花 雪小国

 

 

花無心招蝶
蝶無心尋花
花開時蝶来
蝶来時花開
吾亦不知人
人亦不知吾
不知従帝則

 

花は無心にして蝶を招き
蝶は無心にして花を尋ね
花開く時 蝶来たり
蝶来たる時 花開く
我また人を知らず
人また我を知らず
知らずして帝則に従う

 

 

良寛師の漢詩です。

良寛様らしい、素直にイメージのしやすい詩ですね。

 

無心とは、あるがまま、懸命に生きる姿です。

無心

 

偽ることなく、直向きに生きていれば

出会うべく人に逢う。

それが自然というものです。

 

花は、雪小国の小さな蕾を前日に娘が入れましたが、

当日になるともう膨らんでいました。

すると、お稽古に蝶の帯を締めた方が何人かいらっしゃいました。

 

「花無心招蝶」の世界が再現されているようでした。

 

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3/24_26 利休忌

床 菜の花

 

寄付 新幹線はやぶさ

 

 

利休忌より前は、茶席に菜の花は用いないことになっています。

庭でのびやかに咲いていた菜の花を、

旧暦の2月28日を向かえたこの週、ようやく入れました。

 

 

何故菜の花なのか。

 

利休が生前愛していた、

利休切腹の床の間に用いた、

いやいや茶会で菜の花を使った記録はないからちょうど利休忌の頃に咲き始める菜の花をお供えしたのが始まりだろう・・・

そうではなく、切腹前、堺に蟄居の折、

細川三斎と古田織部が見送っていた川縁に菜の花が咲いていたのだ・・・

 

等々色々な説があります。

 

利休の活躍した安土桃山時代は、日本で菜種油の搾油が始まり、急速に広まった時代でもあります。

つまり、この頃の菜の花といえば、鑑賞の花というよりは、実用の、〝油菜”としての認識が強かったはずです。

 

利休は、名物として伝えられるものよりも竹を切っただけの花入を好み、

魚籠や水筒といった本来茶の湯で用いない道具を、茶の湯に取り込む「見立て」を行ってきました。

 

「日常生活で目に留まらないようなありふれた存在の中に美を見出し、その美しさを最大限に引き出す」

ことが利休の美意識の根幹にあるように思います。

 

薄暗い床に菜の花を入れると、花自体が仄かに発光しているようにも、

春の温かさを滲ませているようにも見えます。

 

搾油の対象として広まった菜の花の美しさは、

利休の茶の湯世界を体現した存在なのかもしれません。

 

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3/17_19 寒緋桜

床 清風匝地

花 寒緋桜

 

 

 

今週のお稽古の花は

広間、小間、寄付にも寒緋桜を使い

桜尽くしとなりました。

 

小間は、横に長く伸びた枝を正客の頭上に来るように入れましたので

花見の気分だと喜んで頂きました。

 

 

 

この寒緋桜、裏庭に生えているものなのですが、

実はこの木は人間が植えたものではありません。

 

ヒヨドリが種を運んできたのでしょうか

裏庭の一番奥、大きな木蓮の陰でこっそりと育ち

ひっそりと花をつけているのを見つけて

「この木はどうやら桜らしい」と気づいたのが11年前。

今では木蓮と並び、庭で一番背の高い木にまで成長しました。

 

 

 

「清風匝地(せいふうそうち)」

 

爽やかな風が吹き悟りを得ることで、迷妄や執着から解放され自由になった心のすがすがしさを表しています。

 

東日本大震災から五年、東松原市では青い鯉のぼりが元気よく泳いでいます。

 

清々しい風が大地いっぱいどこにも止むことなく常に吹き続け、

この世に生きる人々が抱える苦しみや悩み迷い悲しみなどすべてを一掃するように。

 

今回の禅語を担当された小杉さんの解説文です。

 

 

宮沢賢治は言っています。

風と行き来し、雲からエネルギーをとれ

 

Eテレの「いないいないばぁっ!」でワンワンは歌っています。

ほらね!

風をすうたび いいにおい すー

風をすうたび いいきぶん うん!

風をすうたび げんきげんき! げんき!

風をすうたび さいこうさ!

 

日本人は昔から風に名前を付けたり歌に詠んだりしながら

風に特別な気持ちを持って接してきました。

 

大きな海を、広い大地を渡ってきた風。

それを肌で受けとる

身体の中に取り込む

地球の、宇宙の力を感じるとても手軽な方法だと思います。

 

 

幼稚園へと娘を送るバス停では

今沈丁花の香りを纏った風が吹いています。

 

 

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3/10_12 玄玄

床 玄玄

花 蘇芳 八手花笠

花入 松葉篭

 

 

床の字に因み、座学では玄々斎を取り上げました。

玄々斎は立礼式を考案する等、茶道の近代化に貢献されました。

 

 

玄とは、奥深いもの、絶対的な真理のこと。

また、玄武で知られる通り、色としての玄は黒を示しています。

これは奥深くて判別の難しい色、天の色だと言います。

 

今回の作品を担当された渋谷さんの解説によると、

「玄中玄」とは、形や言葉にとらわれない真実の姿をみてとっていこうとすること

だそうです。

難解なようにも聞こえるかもしれませんが、

形やと言葉にとらわれない真実の姿とは宇宙の姿そのものです。

 

宇宙の姿をみようと

古今東西、様々な角度からアプローチがなされてきました。

 

渋谷さんは、今回の解説文の最後に

乙亥会の茶の湯の世界に魅かれている私です

と書いて下さいました。

 

宇宙という名の和を追い求めているのが乙亥会の茶道です。

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3/3_5 春の川

床 春の川深き処の曲がりたる

花 菜の花 猫柳 桃

花入 茶筅筒

 

 

木曜日は桃の節句でした。

茶筅筒を立雛に見立て、娘がそれぞれのイメージで入れていました。

 

座学では柿の蔕茶盌を学びました。

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