掛物 管家 このたびは 幣もとりあへず手向山
紅葉の錦 神のまにまに
花 紫式部、茶の木
花入 青磁瓶子
香合 貝合わせ 上、北斗七星 下、水鳥 昭子作
釜 切合わせ
水指 釣瓶 名水点
茶碗 銘 将門 磁器 山田久子 旧蔵
銘 懐恋 児玉みなみ 造
茶入 肩衝 袋 花兎 昭子作
棗 老松
茶杓 銘 野本
建水 唐津
蓋置 黄瀬戸
茶 根本抹茶 詰 根本園
主菓子 甘酒まんじゅう 天野屋
干菓子 源平巻 豊島屋(としまや)
星の雫 紅白
菓子器 高杯
平家琵琶
屋久杉
酒 金婚上選 豊島屋(とよしまや)
寄付 妙見菩薩
九曜紋
北極星
書棚 神田明神将門様御神札
床 因縁果
香盒 鈴虫
床は、次週に花の式を控えた小美濃さんの作品です。
因:花の種のように物事の元となるもの
縁:土や水、光のように外からくるもの
果:2つが結びついた因縁から実のように生まれた結果
(小美濃さんの説明文より)
ご自身が備えられてきたもの、培われてきたもの
そして乙亥会の周りの方々との経験が
次週、花の式として実を結ぶ。
半年も前から花の式の為に準備を進めてこられ、
いよいよだという決意と、周りの方への感謝の思いが
潔く書かれた3文字から伝わってきますね。
花は、今週も渋谷さんに頂いたものから、床に合わせて3種を入れました。
床 木の間よりもりくる月の影見れば心づくしの秋は来にけり
花 遠州槿
花入 柏木
香盒 根来 鈴形
寄付 屋良歌 秋の七草
茶入 広沢写
9月になると床にこの歌を掛けるのが定番になっています。
花に遠州槿を入れたのは、広沢写と呼応させる為です。
広沢写については3年前のブログで取り上げています。
ちょうどその時も、同じ「木の間より」歌を掛けていましたね。
お稽古では、花の式を意識した練習も始めました。
床 関
花 白紫式部
風炉先 雲板
棚 小袖棚
水壷 韮山竹 経雲斎造
棗 五種
茶杓 牙
茶盌 萩三種 大和松雁造
主菓子 銅鑼焼
器 菊花鉢 山中塗
干菓子 下弦のたはむれ
器 弓張
茶 三種
寄付 中世東国の茶図録
床 花鳥装春
花 紫式部
飾 雲錦図
床は、幼稚園の頃から乙亥会に来て下さっている安純さんの書。
毎年夏休みになるとお稽古に来てくれるのですが、
今年は語学留学とのことで作品のみとなりました。
個人的な話ですが
umi茶会が終わり、この日のお稽古で
社中の皆様に「杓底一残水」のお話を・・・と思った矢先
その禅語が山門に刻まれている永平寺とご縁ができました。
偶然、というより、導かれたのだと思います。
床 杓底一残水 上田義山
花 朝顔葉
花入 蛇籠
脇床 団扇香盒 神代杉翡翠蒔絵
風炉先 簾
棚 長板
水壷 あさがほ花
茶入 籠棗 鶺鴒蒔絵 星山造
茶盌 佐々木硝子
替 粉引 祭図
茶杓 銘 東雲 宗敦作
建水 餌畚
蓋置 引切 孝子作
茶 小倉山 小山園
菓子 水ようかん 澤村美保作
数茶碗 平六種
床 海潮音
花 藪茗荷 洋種山牛蒡
床の「海潮音」とは、そのまま波の音を意味しますが
梵鐘の音と言われることもあり、
また仏様の広大な慈悲の御声が、誰にでも平等に遍く聞こえることのたとえでもあります。
以前umiのいえ茶会のブログにも書いた通り、
波の音に耳を澄ますか、気に留めないで通り過ぎるかは自分次第ということですね。
この日のお稽古では、もうすぐ2歳の男の子や小学生の男の子がお稽古に来てくれました。
それに、このところ床の花を担当している4歳の娘、もうすぐ1歳の息子と、大変賑やかなお稽古になりました。
床 青雲に底の知れざる暑さかな
花 茗荷
花入 宗全篭
土曜のお稽古では、着物コンサルタントの川合さんに
「辻が花と琳派の着物 東福門院を中心に」という題で講義をして頂きました。
当時の文化と、着物と琳派の関係性についてとても興味深いお話でした。
床 夏涼風有
花 遠州槿 鶏頭 ボックセージ
花入 宗全篭
床は夏涼風有。
言葉自体が馴染みやすく、また字体に工夫を凝らされていて、
見ていて楽しくなる作品でした。
座学は、琳派の4回目。
皆様の理解も深まってきたようです。
床 白雲抱幽石
花 谷渡り(人工衛星の木)
花入 李朝瓶子
先週に引き続き祇園祭の道具組でお稽古をしました。
床は、白雲抱幽石。
人里離れた深い渓谷。
入道雲が沸き上がり、巨大な岩肌をそっと包み込む。
実際にそういった景色の中に身を置くことは中々難しいものです。
それでも、先週の続きのようですが、
この壮大な景色の中に自分がいるのを頭に思い浮かべてみれば
自分の身体も白雲に包み込まれていきます。
毎日のうだるような暑さを忘れ、スッと浄化されたような気持になるでしょう。
ですから毎年、夏になると掛けたくなる禅語です。
花と花入は、その禅語が持つ世界から選びました。
床 廓然無聖
花 槿 祇園祭
花入 細宗全籠
香盒 団扇 翡翠図 神代杉
お稽古では席を二つ設えました。
一つは、山鉾席。京都八坂の祇園祭に因んだものです。
もう一つは、山笠席。博多の祇園山笠祭に因みました。
山鉾席には、長刀鉾の棗や祇園祭図の菓子器を用いました。
山笠席には福岡の高取焼の水壷や蓋置を。
床は、廓然無聖。
廓然とは、雲一つない、カラッと晴れ渡った空のことです。
そこには聖も俗もありません。
迷いや拘りを一切棄てて
澄み切った空のようにさっぱりとした心持になることができたら・・・。
日常生活を送る中でいつもそのようにいることは難しいかもしれませんが
ふとした時に、廓然=真っ青に広がる空をイメージするだけでも
気分が晴れやかになるかもしれませんね。