手製和菓子帖番外編―利休白玉善哉―

炉開きは茶道の正月。

いつも善哉をお出ししています。

今回は、4歳の娘に利休白玉を作ってもらい、一緒に召上って頂きました。

 

利休白玉は、小さな子どもが作るのに最適だと思います。

 

 

白玉粉に豆腐を少しずつ入れて

耳たぶの固さになるまでね

 

ねんどの時みたいに

コロコロちっちゃなお団子を作って

 

お湯が沸いたらお団子入れて

ぷかーっと浮かんできたら

スーパーボールすくいみたいに

網ですくいとって

氷水に入れましょう

 

 

ほぼ全ての工程を子どもだけでやることが出来ます。

大きさが少々不揃いでも可愛いものです。

 

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手製和菓子帖其の廿五-花梨羊羹-

花梨というと、母にとっては生家の庭に育っていた木。

その大切な木は、母の平家琵琶にも使われています。

 

今回、許状式を迎えられるお三方の歩みを振り返ることは、そのまま母の茶道人生を振り返ることでした。

 

主菓子として、花梨を用いた羊羹を作りました。

 

固まった羊羹をひっくり返すと、まるで磨いた石板のように艶々としていました。

 

これを切り分け、晴れの日のお菓子にすべく金箔を置いて

皆様に召上って頂きました。

 

 

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手製和菓子帖其の廿四ー翡翠水饅頭ー

枝豆でずんだ餡を作り、水饅頭にしました。

つるんとしたのどごしと豆の甘さが娘のお気に入りでした。

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手製和菓子帖其の廿三ー干し柿羊羹ー

社中の森さんから自家製の干し柿を頂きましたので

細かく刻んで羊羹にしました。

干し柿そのものの上品な甘さのお蔭で

皆様にご好評頂きました。

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手製和菓子帖(其の廿二)―栗蒸し羊羹―

 

庭に大量の栗が落ちていましたので

栗の甘露煮を作りました。

 

そのままでもいいのですが

折角ですので栗蒸し羊羹に挑戦してみました。

 

葛粉と薄力粉を入れながら漉し餡を混ぜていくのですが

単純な工程ながら根気のいる作業でした。

 

皆様に満足頂いたようで一安心です。

 

 

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手製和菓子帖(其の二一)―御萩―

お彼岸で、萩が綺麗に咲きましたので

お稽古にも御萩を作って皆様に召上って頂きました。

 

小豆の粒が萩の花が咲き乱れている様子に

似ていることから名づけられた御萩。

形も萩の花のように(小豆の形のように)

小ぶりの俵型に整えると良いようです。

 

 

同じようなお菓子で「ぼたもち」がありますが

こちらは「牡丹餅」と書く通り

牡丹の花に由来するとの説が一番有名ですね。

牡丹の花のように盛り付けて、牡丹の季節=春のお彼岸に食べるからぼたもちであると。

 

餡も、基本的に御萩は粒あん、ぼたもちはこしあんであると言われています。

これは小豆の収穫時期と関係しています。

御萩の時期は丁度小豆の収穫の頃ですので、

柔らかい皮ごと粒あんにするのが美味しいのですが

春になると皮が固くなるので漉し餡にした方が良いのです。

 

写真は胡麻をまぶしたものですが

粒あんのものも作りました。

(胡麻の御萩も中身は粒あんです)

 

今回初めて、3歳の娘が一緒に作ってくれました。

胡麻を扱う作業が砂遊びのようで楽しかったようです。

 

次回のお彼岸には

もっと高度なお手伝いができるようになってくれているのではないかと期待しています。

 

 

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手製和菓子帖(其の二〇)―せとか羊羹―

文旦の皮の砂糖漬けで味を占めてしまい

今回はせとかの皮で挑戦してみました。

 

元々皮の厚い文旦はそのまま薄茶に合わせられましたが

せとかは同じようにはできないので

白餡とあわせて羊羹にしました。

 

皮が薄いとはいえ、

やはり砂糖漬けに加工するのには4日程かかります。

 

普段効率や時短といった言葉に囲まれていると

敢えて時間や手間をかけることは貴重なことのように感じます。

 

市販のお菓子のような美味しさは出せるものではありませんが

社中の皆様にはしばらくお付き合い頂きたいと存じます。

 

 

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手製和菓子帖(其の十九)―きらきら文旦―

文旦を頂いたので、

皮を煮て砂糖漬けにしました。

 

砂糖漬けは時間がかかります。

これを作るのにも4日を要しました。

 

煮ては一晩休ませ、煮ては一晩休ませの繰り返し。

こうすることで渋みが和らぎ、香りと甘味が引き出されます。

 

自然の素材にあまり手を加えないお菓子は

薄茶と相性がいいですね。

 

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手製和菓子帖(其の十八)―栗餡どら焼き―

 

栗餡を大量に作りました。

これをそのまま食べられる和菓子を

ということでどら焼きにしました。

 

随分と分厚くボリューミーになってしまったので

お稽古では4つに切ってお出ししました。

素材の甘味を感じて頂けたら幸いです。

 

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手製和菓子帖(其の十七)―無花果羊羹―


無花果が沢山あったので、甘露煮にしておいたものを

羊羹に加工しました。

 

甘露煮に十分甘味があるので、白餡と砂糖の量を減らしました。

無花果のつぶつぶも感じられると、好評を頂きました。

 

限られた時期しか手に入らない無花果。

来年も仕入れてこれを作りたいと思います。

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手製和菓子帖(其の十六)―ずんだ羊羹―

 

丹波篠山の黒豆が沢山あったので
ずんだを作り、更に羊羹に仕立てました。

 

元々のお豆の味がとても濃厚でしたので

砂糖の量を減らしました。

素材の風味を味わって頂けたかと思います。

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手製和菓子帖(其の十五)―利休白玉―

毎回、簡単な和菓子のみを作ってきましたが

その中でも群を抜いて簡単に作れるものが、今回の利休白玉です。

 

豆腐と、白玉粉を耳たぶの固さになるように混ぜ、

沸騰した湯に入れ、浮いたら冷水にとる。

 

たったそれだけです。

 

・・・なのですが、

以前作ったときは豆腐の香りが広がったのですが、

今回は豆腐らしさが感じられませんでした。

 

原因は不明ですが、侮ってはいけませんね。

 

不明といえば、何故「利休」白玉と呼ぶのかも調べたのですが分かりませんでした。

白玉椿と関係しているのでしょうか。

 

 

 

 

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手製和菓子帖(其の十四)―水饅頭―

夏らしいお菓子を、ということで今回は水饅頭を作りました。

作り方は単純なようですが、

木曜と土曜では固さが異なってしまいました。

葛の涼しい食感の為に、ひたすら熱気と戦い

材料を混ぜていく作業にもコツがあるようです。

 

 

 

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手製和菓子帖(其の十三)―創作水無月―

昨年に続き、今年も水無月を作りました。

 

あまり小豆がぎっしりと敷き詰められているものは

砂利のように見えて美しくないということで

(詳しくは手製和菓子帖(其の三)をご覧下さい)

今年も小豆の量は控えめに。

 

三角は氷を見立てているということで、涼感を出すために

二層の上部に寒天(アガー)を使いました。

 

下層は加熱して固め、上層は冷やして固めるという性質のものを選択してしまったので

程よく固めるのに苦労しました。

 

もう少し下が固くても良かったですね。

 

このお菓子だけは毎年作ろうと考えているので、

来年はより良いものをお出しできるよう精進致します。

 

 

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手製和菓子帖(其の十二)―花梨羊羹―

花梨の砂糖漬けを頂いたので、粒餡を用いた羊羹を作りました。

 

あまり花梨が主張すると好き嫌いが出ると思い、

少し花梨の量を控えめにしました。

 

その結果

食べているときは普通の羊羹とあまり変わらないのですが、

後味はスッとした清涼感を残し、小豆と砂糖の甘味を引きずらない。

 

手前味噌ながらちょうどいい塩梅になったような気がします。

 

花梨は和菓子の材料としてなかなか好適であるように思いました。

 

 

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手製和菓子帖(其の十一)―八重桜―

和菓子製作は、最近練り切り生地を使ったものが続いていたので

今回は求肥に挑戦しました。

 

柔らかい為、型で抜いた後の形が崩れてしまったり

くっついたりと、思ったより苦労しましたが

透け感を演出できる素材なのでまた近いうちに挑戦したいと考えています。

 

 

 

 

 

 

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手製和菓子帖(番外編)―狐―

お正月に仙台銘菓「霜ばしら」を頂きました。 

中の粉は炒ると落雁になるとの説明書きがありましたので

母が初午に因み、狐の形の落雁を作りました。

周りにはきな粉をまぶしてあります。

 

落雁はどうやって作るのか未だに良く知らないのですが

思いがけない方法で作ることが出来、驚きました。

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手製和菓子帖(其の十)―下萌え―

完全に独学の和菓子制作も十作品目になりました。

 

今年に入り、社中の森さんから干し柿を頂きました。

家に柿の木があるそうで、そこになった柿から作られたとのこと。

そのままでも十分美味しいのですが、そこからお菓子を作らせて頂きました。

 

干し柿を細かく刻み、白餡と和えます。

時間が経つと柿が餡の中に溶け、きれいな橙色の餡になります。

それを淡く水色で着色した道明寺で包みました。

 

『和菓子の甘さは干し柿をもって最上とする』

つまり、和菓子は干し柿の甘さを超えてはならないと言われています。

ですから今回も極力味の添加を抑え、大切に育てられた柿の甘さを純粋に味わって頂くようにしました。

 

溶けかかる雪の下から、新しい生命力がうっすら顔を覗かせる。

そんな春の息吹を表現したつもりです。

 

節分を終えると立春。

春はもうそこまで来ています。

 

 

 

 

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手製和菓子帖(其の九)―十八公―

毎回好き勝手に稚拙な和菓子を作ってきましたが、

今回ついにお茶事の主菓子を作ることになりました。

 

今回のコンセプト「日本の心」、そして御祖父様からの流れ等をじっくりと反芻した結果、

松のお菓子を作ろうと決めるに至りました。

 

松は日本人にあまりに馴染みが深く、和菓子の意匠でもよくあるものですし、

雪とともに描かれることも多いのですが、

今回は美しく剪定され、美しく雪を載せた松ではなく、

海岸線の、荒々しく力強い松を感じて頂ける様に工夫しました。

 

以下が当日皆様にお配りした説明です。

 

 

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手製和菓子帖(其の八)―呼子鳥―

呼子鳥とは何か。

 

 

呼子鳥が歌に詠まれるようになったのは万葉集からです。

 

万葉集で呼子鳥が詠まれた歌は9首。

万葉学者の伊藤博氏によると、
「万葉では晩春に子(妻)を呼び求めて鳴く鳥とされているけれども、いかなる鳥とも知られない。普通、郭公とか言われているが、山口爽郎『万葉集の鳥』には、托卵して子を呼び続けるホトトギス科の四種の鳥(カッコウ・ツツドリ・ホトトギス・ジュウイチ)をいうとしている」(万葉集釈注)
としています。

 

先ほどの記事の続きのようですが、やはり日本人はホトトギスの鳴き声が好きなのですね。

 

また、山陰地方では山彦のことを呼子鳥と言うそうです。

 

鵺など、空想上の生き物であるという説も。

 

このように呼子鳥が正体不明であることから、

 

むつかしや猿にしておけ呼子鳥(宝井其角)
大かたは猿にしておけ呼子鳥(高天鶯)
猿ならば猿にしておけ呼子鳥(市川白猿)
などという俳句も後世に作られているほどです。

 

さて、この呼子鳥、茶道の世界では上に挙げたどれでもなく、

鹿の声として知られています。

何故ここにきて突如鹿が出てくるのかは不明ですが。

 

今回はその鹿がうずくまる姿を表した松江の銘菓「呼子鳥」に挑戦してみました。

ご近所から頂いた栗を栗餡にし、漉し餡を練り切りにしたもので包みました。

 

本来は外側は小豆の皮を剥いて炊いた、「皮むき餡」が用いられています。

それを使うことで淡い古代紫の色合いと、栗餡の透け具合が相まって鹿に見えるのだとか。

 

普通の漉し餡でそれを再現しようとしてもなかなか上手くいきませんでした。

素人が銘菓を簡単に再現できる訳もないのですが。

 

本家は背中に紅葉の焼き印があるのですが、

寒天を2色に染め、その代わりとしました。

 

それにしても栗餡と小豆は本当に相性が良いですね。

見た目はあんこ玉のような、素朴すぎるものになってしまいましたが、

味覚から少しでも秋を感じて頂けたら幸いです。

 

 

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手製和菓子帖(其の七)―蓬莱の玉―

竹取物語中に出てくる5つの難題は

 

石作皇子へ「仏の御石の鉢」
右大臣阿倍御主人へ「火鼠の裘」
大納言大伴御行へ「龍の頸の五色の玉」
中納言石上麻呂へ「燕の子安貝」

車持皇子へ「蓬莱の玉の枝」

 

これらを持って来させるというものでした。

 

今回はその中から最後に登場する

「蓬莱の玉の枝」を題材に菓子を作ってみました。

 

下の層は白餡の羊羹を、

五色のきんとんを散らした寒天で上の層を作りました。

 

きんとん餡が余るのが勿体ないと沢山撒いたところ、

てんこ盛りになってしまいました…。

もう少し控えめの方が良かったかもしれません。

 

また、上の層と下の層が分離してしまい

食べる際に苦労をおかけしました。

 

土曜のお稽古ではそれを防止するために黒文字を刺して提供していた様で、

図らずもそれが玉の枝に見えたとか見えなかったとか。

 

 

因みにこの蓬莱の玉の枝を所望された車持皇子は藤原不比等がモデルとされています。

財力のあった不比等は、他の4人とは違い、

黄金や真珠をふんだんに使ってこの蓬莱の玉の枝を自作しました。

というか、職人に作らせました。

そして、その出来栄えは素晴らしく、かぐや姫もこれには唯一騙されました。

しかし、ふいに庭にやってきた職人たちが給料をよこせと不比等に詰め寄り、嘘が露呈するのです。

千日間、つまり三年もかけて作ったのに何も払われなければ当然ですね。

 

このように、車持皇子が5人の貴公子の内最も卑怯な人物として描かれており、

恥ずかしい顛末を迎えていることから

藤原政権を暗に批判しているとされているのです。

(他にも不比等説を強める記述はいくつかあります)

そう考えると、藤原氏によって失脚し、文人になった紀貫之が作者であるとする説が

ますます有力になってくる…ということだそうです。

大体、これほどの物語を描ける程の文才がある人物はそういませんよね。

 

 

最も、この説も後世には何らかの新たな証拠の出現によって否定されるかもしれません。

それもまた楽しいですね。

 

 

 

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手製和菓子帖(其の六)―萩―

今回はきんとんに挑戦です。

 

萩は、秋になると最初に咲く花で、秋を代表する花でもある。

だから草冠に秋と書くのだと、和菓子の本に書いてありました。

 

それを知ると、秋の和菓子1作目はどうしても萩を作りたくなったのです。

 

丸くて愛らしい花びらに、これも丸くて愛らしい葉。

それが無数に重なり風に吹かれているのをきんとん餡で表現してみたいと考えました。

 

 

ピンクと紫の混ざったあの独特な色を表現するのに苦労しました。

また、きんとん餡を粒餡に乗せる、というか植え付けていく作業はやはり集中力を要するものでした。

 

 

 

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手製和菓子帖(其の五)―竜宮―

8/29は平曲のお客様が見えてのお茶事でした。

当然設えは平家尽くし。

それに際し、お菓子は「竜宮城」という銘で作って欲しいとの要望を受け

練り切りに初めて挑戦しました。

 

表面の文様について。

竜宮城に因み、亀(亀甲紋)にするか魚(鱗紋)にするか迷ったのですが

三つ鱗は桓武平家の替紋というのを知り、そうしました。

ちなみにこの三つ鱗は正三角形であることが必要で、

頭のつぶれた二等辺三角形になると北条鱗という、北条家の紋になるのだとか。

 

これもちなみにですが、江の島に三つ鱗紋はそこかしこに見つけることができるそうで

これは平家でも北条家でもなく、弁財天のご神紋とのこと。

こちらのご神紋の場合は三つ鱗と波がセットになることも多いそうですが

一応琵琶繋がりということで。

 

 

今回は練り切りを水色と白の2色にし、黄身餡を包みました。

黄身餡で表したかったのは海神、竜神のおわす竜宮の神々しさです。

普通の黄身だけの色では何とも素朴過ぎるというか、少し着色しても良かったかもしれません。

 

肝心の出来栄えですが

何せ独学で「簡単に作れる~」といった類のレシピ本を見ながらであった為

イメージとは程遠く、とても不恰好なものとなってしまいました。

後日少し本格的な技術本を取り寄せたのですが

2色の練り切りを突き合わせる方法から間違っていたようです…。

 

お客様には見た目、味共にとても稚拙なものを召し上がって頂くことになり大変失礼致しました。

次回お越し頂く際にはもう少し見栄えの良い、美味しいものを差し上げられる様精進致します。

 

 

 

そして最後に

 

今まで黙っておりましたが 

黄金に輝く神の棲家に、波が鱗と同化するイメージ…

 

 

数日前にテレビで見た「崖の上のポニョ」の影響を受けたことをここに白状致します。

 

 

 

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手製和菓子帖(其の四)―天空―

朱鷺の舞う天空をテーマにした和菓子制作です。

 

和菓子は、その後のお茶が美味しく頂けるための前座です。

今回がいつもと違うのは、お菓子の後がお茶ではなく白湯であるということ。

後が濃茶であれば主菓子(生菓子)、薄茶であれば干菓子ですから、白湯であれば本来干菓子以下のお菓子が求められます。

主菓子と干菓子の違いは水分含有量の違いですが、

言ってしまえば箸を使うか手でとるか、ということになると思います。

 

手でつまんで食べられ、その前の濃茶4服の後でももたれない、白湯が美味しく感じられる甘さ控えめのお菓子。

 

加えて主菓子が笹団子だったので、見た目の美しさもリクエストされました。

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手製和菓子帖(其の三)―水無月三種―

6月なので水無月を作らなければ落ち着かないということで

30日の夏越の祓には少し早いですながらも見よう見まねで作ってみました。

 

ところが、出来上がりを見て母が一言。

「私の知ってる水無月はこんなではない。小豆が多すぎて嫌。」

私の中では一般的な水無月=小豆が敷き詰められている印象だったのでこれには驚きました。

 

その後色々と調べたのですが、どうもこの作り方で小豆の数を減らしただけでは見た目が美しくない、

というか、私の偏見ですが小豆たっぷりのイメージが定着しているのでただ小豆が足りないだけのように感じるのです。

 

何か工夫をと思いました。

 

基本に立ち返ると、6月は氷月であって

この和菓子についても、三角が氷で暑気払いを、小豆で悪魔祓いを意味している訳です。

 

確かに最初に作った水無月は氷の涼しさが感じられません。

 

そこで、上と下を2層に分け、上をゼラチンと葛粉で作り透明感を出してみました。

(葛粉は食感を柔らかくする為) 

 

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手製和菓子帖(其の二)―朱鷺色外郎―

先週和菓子を作ったばかりだったので次は1か月後くらい…と思っていたのですが

お稽古前日の水曜日

「“朱鷺色”という銘でお菓子を作ってほしい」

と突然指令を受け、急遽制作しました。

本当は練りきりにする予定が、白あんが手に入らなかったため外郎に。

濃い朱鷺紅色の外郎を白い外郎で包み、透けて見える色が朱鷺羽の色になるように工夫しました。

 

ただ、外郎生地がとてもくっつきやすく、時間が経つと柔らかくなりすぎてしまうのが難点。

とても食べづらいお菓子となってしまい、社中の皆様にはご苦労をおかけしました。

改良が必要ですね。

 

 

この外郎を作り終えた夕方のニュースで

朱鷺のヒナが空に羽ばたいた映像が流れていました。

また、レッドリストも見直しだとか。

思わぬ吉報、そして偶然に舞い上がりながら

木曜のお稽古はお席も話題も朱鷺色一色になりました。

 

 

 

朱鷺色のさつきである「秀峰の光」の写真等はギャラリーをご覧下さい。

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手製和菓子帖(其の一)―わかあじさい―

道明寺粉という便利な材料のお蔭で初心者でも何とか形になりました。

中身は全く桜餅と一緒ですが、5月に桜という訳にもいかないので緑と黄色の色粉で色付けをしました。

完成すると、庭の紫陽花のつぼみにそっくりだったことから銘をつけました。

 

今後も月1くらいのペースで色々と挑戦していく予定です。

そのうちに上達するといいのですが…

社中の皆様には恐れ入りますがしばらく拙いお菓子にお付き合い願います。

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