3/17_19 寒緋桜

床 清風匝地

花 寒緋桜

 

 

 

今週のお稽古の花は

広間、小間、寄付にも寒緋桜を使い

桜尽くしとなりました。

 

小間は、横に長く伸びた枝を正客の頭上に来るように入れましたので

花見の気分だと喜んで頂きました。

 

 

 

この寒緋桜、裏庭に生えているものなのですが、

実はこの木は人間が植えたものではありません。

 

ヒヨドリが種を運んできたのでしょうか

裏庭の一番奥、大きな木蓮の陰でこっそりと育ち

ひっそりと花をつけているのを見つけて

「この木はどうやら桜らしい」と気づいたのが11年前。

今では木蓮と並び、庭で一番背の高い木にまで成長しました。

 

 

 

「清風匝地(せいふうそうち)」

 

爽やかな風が吹き悟りを得ることで、迷妄や執着から解放され自由になった心のすがすがしさを表しています。

 

東日本大震災から五年、東松原市では青い鯉のぼりが元気よく泳いでいます。

 

清々しい風が大地いっぱいどこにも止むことなく常に吹き続け、

この世に生きる人々が抱える苦しみや悩み迷い悲しみなどすべてを一掃するように。

 

今回の禅語を担当された小杉さんの解説文です。

 

 

宮沢賢治は言っています。

風と行き来し、雲からエネルギーをとれ

 

Eテレの「いないいないばぁっ!」でワンワンは歌っています。

ほらね!

風をすうたび いいにおい すー

風をすうたび いいきぶん うん!

風をすうたび げんきげんき! げんき!

風をすうたび さいこうさ!

 

日本人は昔から風に名前を付けたり歌に詠んだりしながら

風に特別な気持ちを持って接してきました。

 

大きな海を、広い大地を渡ってきた風。

それを肌で受けとる

身体の中に取り込む

地球の、宇宙の力を感じるとても手軽な方法だと思います。

 

 

幼稚園へと娘を送るバス停では

今沈丁花の香りを纏った風が吹いています。