9月4日 輝う志野

 

 

*管理人宗敦産休中の為社中の方にお稽古レポートをお願いしています。

 

 

 


爽やかな天候の中、夏休みだった方との久々の再会。

お元気でした? 話題は尽きません。

今回は、いつもより和やかなお稽古となりました。

 

お軸は鈴木一耕先生筆 志を励まし常を守る
耕一先生を偲び、ご命日(平成26年7月26日)に近い

この日に飾らせていただきました。

初心に帰り強い気持ちを日々重ねれば、

やがて道は開けると励まされているように感じます。

 

花入れ 窯変白金志野花入れ 鈴木富雄作
矢羽根、白の紫式部、千日香、白水引、黄色小花、の五種類の花を

宇井さんが秋の気配と共に、いっぱいに活けて下さいました。

 

香合 砧
志を励まし常を守るの書を受けて飾らせていただきました。
秋の夜長、砧を打つような音はもう聞こえませんが、

忘れていた季節・便利ではなかった時代に思いを馳せ、現在の生活を思い、

もう一度各々の心の内を見つめましょう。

 

志野焼
志野焼は美濃焼の一種で、釉薬を厚めにかけ焼かれる。
長石と鉄分を含んだ泥などで作った釉薬で様々な色を出せる。

鼠志野・赤志野などいくつかの種類がある。
二点しかない国宝の国産茶碗として、志野焼き国宝・卯花墻(うのはながき、三井記念館蔵)が有名。

もうひとつの茶碗は本阿弥光悦・楽焼白片身変茶碗・銘は不二山。
色を出すのが難しいとされている志野焼きで鈴木富雄氏は、金色を出すことに成功。

試行錯誤の末、三割ほど金色が出せるようになり、自らの作品に
『輝う志野』(かがようしの)と名づけた。

宗敦先生お好みの『輝う志野茶碗』は、金色。
今回初使いの花入れ『耀変白金志野花入れ』は、

宗景先生が宗敦先生の長男・慧士君の誕生を祝って求められたもの。
釉薬の景色が白馬のように見え馬歳の記念ともなりました。
金色と白銀が揃い、おめでたく華やかな空気が伝わり、

この幸せな気持ちを皆が分けていただいたようで、笑顔で本日のお稽古終了となりました。

 

担当:鈴木容子