7/17 納涼ゆかた茶会

第3回 親子でお抹茶を楽しむ会

 

床   海潮音 坂部青峰

花   庭のもの

花入  上野焼 十三代 上野浩平

脇床  燭台 波に千鳥

長板  淡青塗

風炉先 簾

水壷  義山 平水指

茶入  中次 春慶

茶盌  蟹彫 二六窯

替   海松貝 紫雲

茶杓  小笠原柞

建水  南蛮ハンネラ 太仙

蓋置  栄螺 宗敦

茶   小倉山 小山園

菓子  梅ゼリー 澤村美保

器   義山 銘々皿

数茶盌 八駿馬 城岳

    海 昭和五十二年勅題

    琉球ガラス 宗敦

 

 

早くも3回目となるumiのいえでの親子茶会。

日程が決まった段階で

会場の名前と、盛夏の時期、4日後に海の日を控えていることから

今回のテーマはずばり「夏の海」と即決致しました。

そして、日本の海を感じられる道具を取り揃えてみました。

 

海をイメージした淡い水色の長板

飲み終わると蟹がひっそりと隠れている茶盌

小笠原諸島に自生する木から作られた茶杓

琉球の吹きガラスで作った茶碗

壺焼きとして頂いた栄螺を加工して作った蓋置・・・

 

お茶もこの時期ならではの、氷水を用いた冷たいものをお出ししました。

 

それにあわせて、お菓子は澤村先生に梅ゼリーをお作り頂きました。

小さなお子様でも食べられる様、梅の果肉を小さく刻んだり

今回も白いお砂糖を使わなかったりと、

先生のこだわりと優しさのたっぷり詰まったゼリーは

清涼感と自然な甘さが見事に調和しておりました。

 

どれも皆様に楽しんで頂けたようで楽しく会話させて頂きました。

 

 

床の「海潮音」とは、そのまま波の音を意味しますが

仏様の広大な慈悲の御声が、誰にでも平等に遍く聞こえることのたとえでもあります。

波の音に耳を澄ますか、気に留めないで通り過ぎるかは自分次第ということですね。

 

また、お客様にお配りした会記には背景に青海波文様をあしらいました。

この模様自体はペルシャやエジプト等世界各地で見られるものですが

日本では古来より

海がもたらす恵みを呼び起こす縁起の良い文様とされており

その波が無限に広がっていく様子から

「人々の幸せな暮らしが末永続いていきますように」

という願いも込められています。

 

島国の日本。

古より海はとても身近な存在でありながら

それと同時に特別な畏敬の念を払ってきたことは

海の神様をお祀りする神社が全国各地に数多存在することからも明白です。

 

その波は恵みの象徴であったり

またある時は仏様からのメッセージにもなります。

 

そして海にはもう一つ特別な意味があります。 

「海」という字は

「さんずい」に、「毎」と書きますが

「毎」とは「髪を結った」「母」のことです。

つぎつぎと子を産むことから転じて

次々に生じる物事の一つ一つを指す言葉として使われているのです。

 

恵みをもたらす海と

子宝を生み出す母。

 

「母なる海」という言葉もありますが

「海」と「産み」同一音であることにも日本人の世界観が良く表れています。

 

そう考えると

母といのちのためのスペースが

「umiのいえ」

とは

何と奥深く、美しい名前でしょうか。

 

今回、亭主は妊娠9か月となり

お腹の大きい中浴衣で務めさせて頂きましたが

妊婦という立場で、umiのいえで、母なる海をテーマとして

お母様達や、いのちに携わる方々にお茶を差し上げられたことは

とても特別な、思い出深い経験となりました。

 

 

この会をきっかけに茶道を始められたという小学生のお客様

前回、前々回とここでお茶を飲んでから抹茶味のものが好きになったという3歳のお客様

つわりの中、浴衣を綺麗に着て足を運んで下さったお客様

冷たいお抹茶を美味しいと飲んで下さった皆様

 

冷茶と温かいお茶の味わいの違いを感じて下さり、

またすぐに次回をと言って下さったumiのいえ代表の斉藤麻紀子さん

今回も美味しいお菓子とランチを作って下さった澤村先生

浴衣を着る機会があって嬉しいと喜んで下さったumiスタッフの皆様

美味しい冷茶の点て方を共に研究し、当日お手伝い頂いた社中の方々…

 

皆様本当に有難うございました。

 

 

当日の様子はumiのいえホームページにも紹介されています。

写真を沢山載せて頂いているので、こちらも是非あわせてご覧下さい。

http://www.uminoie.org/2014/07/717_24.html

http://www.uminoie.org/2014/07/717_36.html