3/13_15 flower of life

床 花

 

お蔭様で、山田宗愛は、

皆様から頂いたお花、

川合さんが書いて下さったお花と、

沢山の花々に囲まれて四十九日間を過ごすことが出来ました。

 

皆様には御礼として、私が愛読しております般若心経絵本をお受け取り頂きました。

 

『般若心経絵本』

 

添え文を下に載せておきます。

 

御礼

 

 

山田愛(宗愛)が平成二十六年二月十五日に他界致しました。

 

皆様にはご厚志や美しいお花を賜り、

お稽古ではお茶やお経を供えて頂きました。心より御礼申し上げます。

 

 山田愛は私の母方の祖母の妹、大叔母にあたります。

 子どものいなかった山田夫妻は私の家のすぐ裏に住んでおり、

 大叔父の死去後は同居しておりました。

 私は生まれた時から孫のように可愛がられてきましたし、

 同時に茶道の師匠として長年指導も受けてきました。

 お茶を心から愛しており、

 元気な頃は乙亥会のお稽古で毎週社中の皆様にお会いするのを

 とても楽しみにしておりました。

 亡くなる一週間前まで皆様にお茶を点てて頂き、

 ベッドで嗜んでおりました。 

 身体が弱ってからは延命措置を行わず、

 自然に「老衰」という形で命を閉じました。

 九四歳でした。

 戒名は、本人も生前より親しかった尼僧の方に

 「浄念院華芳謡愛大姉」

 とつけて頂きました。

 茶人によくつけられるという「芳」の字と、

 歌が大好きであったことから「謡」の字を入れて頂きました。

 

 遺影の後ろにかけておりました書は梵字で「羯諦」と書かれたものです。

 一般的には彼岸に行く、悟るといった意味で知られていますが、

 先日般若心経について勉強していた際、

 新たな解釈を知ることが出来ました。

 それは、「ぎゃーてーぎゃーてー」とは

 赤ちゃんの「おぎゃあおぎゃあ」と同義であるということです。

 本を読んだときは非常にインパクトが強く、興味深いと感じましたが、

 今回その意味をはっきりと実感することが出来ました。

 

大叔母は新しい素敵な名前を貰い、

「おぎゃあおぎゃあ」と新しく生まれ変わったのです。

そう捉えると、純真無垢な白い花や、九十を超える大往生だからと頂いた色

鮮やかなお花の一輪一輪が、

大叔母を祝福しているようにしか見えませんでした。

お陰様で、亡くなった当日から納骨の四十九日間、

常に遺骨は華やかな芳しさに包まれていました。

今頃は、一足早く彼岸に到着されている親しい方達と

新生活を楽しんでいることでしょう。

 

 

 皆様には感謝の気持ちと致しまして、

 大叔母の死を清々しく見送ることができたきっかけとなった、

 この般若心経の本を進呈致したく存じます。

 本当に有難うございました。

 

 

 平成二十六年三月十八日(納骨を終えて)   

 川原宗敦