8/1_3 棘

花 鷺草、棗、谷渡木

 

2週続けて四滴のお稽古です。

 

今回の3種の花について。

 

右奥の丸い花は名前が分からず、

調べるのに随分時間がかかりましたが、

「谷渡木(タニワタリノキ)」でした。

中国や、ベトナムに多く分布し、文字通り谷間に好んで生えるそうです。

この花には面白い別名がありまして、

「人工衛星の木」

と言うそうです。

枝先に一輪の花を咲かせ、

その花も四方八方に花柱を出している様は、

正に人工衛星ですね。

 

 

次に棗です。

他の植物より遅く、夏に芽を出すことからナツメと呼ばれています。

床にも、出てきたばかりの「夏芽」を中心に入れてみました。

(鷺草の横、黄緑色の葉がお分かり頂けますでしょうか)

 

お茶道具の棗はこの木の実に似ていることが由来です。

棗という字は棘という字を縦に並べ替えたように見えます。

実際に、同じトゲという意味を持っています。

本当に、細かい棘が枝に沢山ついています。

 

険しい人生を表す

「いばらの道」

という言葉があります。

何となく棘のある薔薇を連想されがちですが

これは具体的には棗の木のことなのだそうです。

棗の根が伸びて歩道の間に新しい株を出し、それが棘だらけで手に負えない様子が語源です。

 

しかし、それほど厄介でも歩道に生やしているのにはちゃんとその価値があるからなのです。

 

棗の実を乾燥させたものは、漢方では「大棗(タイソウ)」としてとても一般的です。

市販の漢方を使った胃腸薬にも、この大棗が配合されています。

日本最古の薬物書『本草和名』にも登場する程古くから親しまれている薬草なのです。

また、インドの伝統医学アーユルヴェーダでも、ナツメの実が治療に使われているそうです。

その他にも、中国や韓国では菓子や甘味料としても広く用いられているそうです。

 

 

鷺草は、寄付にも飾りました。

社中、律子さんのお母様が墨絵で描かれた

富士山と共に。

お住まいの茅ヶ崎からの景色なのだそうです。
鷺草も絵の中の鳥と一緒に羽ばたいて嬉しそうです。