11/8_10 雨ニモマケズ

床 雨ニモマケズ

花・寄付 法華経の世界

 

床は社中の筆です。

311の後、渡辺謙さんが動画で発信された「雨ニモマケズ」の朗読に感銘を受け、

自分でも諳んじるようになったそうです。

(その動画はkizuna311にてご覧下さい)

 

ちなみに大震災の1か月後の4月11日、ワシントンのナショナル大聖堂において、犠牲となった方々を悼む、宗派を超えた追悼式が開かれたのですが、

サミュエル・ロイドⅢ世大聖堂長により、復興への祈りが捧げられた後、この「雨ニモマケズ」が英語で朗読されています。

 

 

 

宮沢賢治と法華経は切っても切り離せない関係だといいます。 

 

 

 「…宮沢賢治は大変熱心な法華経信者で、亡くなるまで日蓮聖人を敬慕し続けた…また、彼の死が近いことを悟った父が病床の賢治に向かって『何か言い残すことはないか』と尋ねたところ『最後に一つ頼みがあります。自分が死んだら『国訳妙法蓮華経』を一千部印刷して、私が親しくしていた人たちに分けてください』と頼み、経文の巻末に次の言葉を付け加えるように言い残した。

「日蓮がわかる本」より

 

雨ニモマケズはノートに書かれたものですが、

「サウイウモノニ私ハナリタイ」で終わった詩の隣のページには

 

「南無無辺行菩薩、南無上行菩薩、南無多宝如来、南無妙法蓮華経、南無釈迦牟尼佛、南無浄行菩薩、南無安立行菩薩」

と書き込まれています。

 

実際、雨ニモマケズの世界は法華経の教えそのものであるといいます。

 

 

 妙法蓮華経常不軽菩薩品(第二十)

 我不軽汝 汝等行道 皆當作佛 諸人聞己 軽毀罵詈 不軽菩薩 能忍受之

 私はあなたがたを決して軽んじません。
 なぜなら、あなた方は道を行じて、皆仏となる身であるからです。
 そのとき、人々はその言葉を聞いて、なんて馬鹿げたことをいう坊さんだと、

 笑って罵詈雑言をあびせました。
 しかし、不軽菩薩(ふきょうぼさつ)はよくこれに耐えしのびました。

 

不軽菩薩は難しいお経の話などいっさいせず、会う人、遭う人すべての人に対して、

「私はあなたを尊敬します。敬います。」と言い続けていたといいます。
それは、すべての人は将来仏となる可能性を持った存在だと考えていたからです。

彼はどのような人にもへりくだって身をかがめて、丁寧な言葉でこのように言い続けていたといいます。

暑い日も、寒い日も、雨の日も、風の日も、他人に笑われ、馬鹿にされようと、あちこちに出かけては、人の難儀を少しでも和らげ、思ったように助けられないときはおろおろと立ち尽くし、法華経に祈っていた宮沢賢治の姿に重なります。

 

釈迦の来た道(http://blog.livedoor.jp/space3000/archives/51679053.html)より

 

 

日頃お茶では禅宗について学ぶ機会は多いのですが、法華経に触れることはあまりありません。

私自身法華経のことは殆ど知りませんが、

「全ての生きとし生けるものが仏になる、だから敬う」という姿勢は

茶道においても深く共鳴するものがあるように感じました。

 

お茶や、お水、茶道具を構成する竹や土に至るまであらゆるものに尊敬の念を持ち、

精進することができれば

一服の中にも新しい世界が見えてくるのかもしれません。